スイッチ
うんこが止まりました。

平凡なる日常の中の、その日起こった些細な出来事を、特に脚色も加えず、事実を事実のまま平凡なる文章で坦々と綴る、いわゆる「日常系」の日記サイトとして有名な当サイトなのですが、しかし、「うんこが止まらない」と書けば書く程、アクセス数は下がる一方で、アンテナ登録数も減る一方でした。

しかし、最近の日常の中で、日記に書けるような出来事と言えば、「うんこが止まらない」以外には無く、下がる一方のアクセス数を見ながら、「僕は一体どうすればいいんだ…」と、ディスプレイの前でジレンマに頭を抱え込みました。

そして、頭を抱え込んだ手をそのまま胸に移動し、自分の着ていたTシャツを「うおりゃー!」と叫びながら思いっきり引きちぎりました。僕には、困った時は自分の着ている服を引きちぎり全裸になるというクセがあるのです。仕事で困った時も、横暴な嫁に困った時も、僕は着ている服を思いっきり引きちぎります。それで何か物事が解決の方向に向くってコトはまず、ありえないのですが、つい僕はクセでやってしまうのです。

そして、僕は今日もそうやっていつものように服を引きちぎりました。引きちぎった瞬間、僕はある種の違和感を覚えました。違和感、というかこれは…、既視感…? そう、確か…、うんこが僕の尻から溢れ出し止まらなくなったあの日も…、僕はこうやって…。僕はあの日と同じように右手の人さし指と中指で右の乳首を、左手の人さし指と中指で左の乳首を「むむむむむむむむ…」と言いながら激しく上下に擦りました。僕には、全裸になると乳首を激しく上下に擦るというクセがあるのです。風呂に入る時も、朝着替える時も、僕は自分の乳首を激しく上下に擦ります。それが特に気持ちイイってコトはまず、ありえないのですが、つい僕はクセでやってしまうのです。

そう、うんこが僕の尻から溢れ出し止まらなくなったあの日も、全裸になった後、僕はこうやって職場で乳首を激しく上下に擦っていました。
その日は確か、仕事のコトで困っていたのだと思います。その日、僕はいつもより激しく乳首を上下に擦りました。そして、

ポロリ…。

そう、右乳首が取れたのです。
慌てて僕は、デスクの上にあった木工用ボンドで右乳首を接着しました。そして、次の瞬間にはもう、うんこが僕の尻から溢れ出していたのです。うんこが止まらないという事実にのみ気を取られてその出来事をすっかり忘れていました。もしやこれは…、

僕はあの日と同じように乳首を激しく擦りました。ただの木工用ボンドで接着されていた右乳首が取れて床に落ちるまで、そんなに時間は掛かりませんでした。

ポロリ…。

そして僕は、あの日と同じようにデスクの上の木工用ボンドで乳首を接着しました。その時点では僕はまだ半信半疑でした。まさか…、そんなコトが…、しかし…、

しかし、次の瞬間、うんこは止まったのです。



まさか、右乳首がスイッチになっていたとは…!
【2004/10/30 11:42 】
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水の中
昨日、休日出勤をしました。

休日出勤はいつものコトなのですが、しかし最近はうんこが止まらないコトもあって、あまり充分な睡眠を取れていない状況だったので、気を抜くとついウトウトとし、「いかんいかん」と首を降ったり、苦いコーヒーをいれたり、外の空気を吸ったりを何度となく繰り返していました。
これが平日ならば、会社には僕の他にも人が居て、それなりに気を張れるのですが、昨日は一人だったのです。

そして気が付くといつのまにか僕は、暑い夏の日に居ました。

一昨日の夜から降っていた雨が昼前には上がり、2日振りの太陽と青い空が眩しく、茹だるような暑さの夏休みの午後。
小学生の僕は、既に中学生の二人の姉と、小学校のプールに行く準備をしていました。二人の姉は中学校が遠い場所にあったので、夏休みには近くにある僕の通う小学校のプールでよく泳いでいました。近所に住んでいる他の中学生も皆そうしていたし、先生達もその小学校の卒業生である彼等を温かく迎えていました。そして僕も二人の姉と同じプールに行けるコトを嬉しく思っていました。

それと言うのも、息を止めたまま25mを泳ぐのがその夏の僕の目標で、二人の姉の前でその目標をどうしても達成して見せたかったのです。
夏休みに入る前には息を止めたまま既に20mくらいは泳げていたので、夏休み中には25mもきっと行けると確信めいたモノがあったし、どうせ達成するならいつも僕のコトを子供扱いしていた二人の姉に見てもらいたいと思いました。誉めてもらいたかったんだと思います。

プールに着くと、午前中に雨が降っていたからか、人は少なく、ほぼ3人の貸し切り状態でした。たとえ25m続く息があったとしても、まっすぐ泳げないくらいに人が多いとそれもままなりません。人が少ないというのは邪魔をされないという意味で大いに好都合でした。今日しかない。準備体操も程々に、僕はプールへと焼けたコンクリの上を走りました。そして、

「息しないで25m泳ぐから! 見てて!」

二人の姉に元気良くそう告げると、「3」と書かれた飛び込み台から思い切ってプールに飛び込みました。そして飛び込んだ勢いでそのまま、プールの底のすれすれをいつものように、手は平泳ぎ、足はバタ足というオリジナルの潜水泳法で進んで行きました。軽く10mのラインを過ぎ、「今日はいける」という手応えを感じました。プールの真ん中にある排水溝の四角いフタを横目で確認しながら、まだまだ僕は突き進みます。まだ苦しくない。残り10m。

残り7mを切ったくらいで、苦しくなってきました。しかし「あと一秒なら我慢出来る、あと一秒我慢しよう。もう一秒。あと一秒。もう一秒…」と、そうやって僕は「一秒の我慢」を何度も繰り返しながら、さっきまで25m向こうにあったはずの壁に、遂にタッチしたのです。

笑顔だったと思います。

僕は「やったー!」と大きな声を上げながら水面から顔を出しました。
しかし、二人の姉はそこに居ませんでした。監視員のお兄さんも、プールの隅っこでバタ足の練習をしていた2年生の女の子も、もうそこには居ませんでした。さっきまで晴れていた空は雲に覆われ不自然に暗く、気が付くと僕はいつのまにかプールの真ん中に立っていて、ひどい孤独感と寒さを感じました。僕は世界に独りぼっちでした。

「いやだ、いやだ」
うわ言のようにそう呟くと、とにかく水から上がろうと一番近いプールサイドに向かって僕は泳ぎ始めました。
しかし、さっきまであんなに自由に水の中を泳いでいたのが嘘のように、いくら水を掻いても僕の体は前に進まないのです。しかも何故かプールの水は次第に粘度を帯び、僕の肌にまとわり付いてくるのです。
プールは立てるくらいの深さしかないハズなのに、足には底知れぬ水の感触しかありません。

ヌルヌルと、ネバネバと、水に捕らえられた僕の体は、まるでトリモチの罠に掛かったメジロのようでした。もはや体の自由は完全に奪われ、いくらもがいても指先がわずかに動く程で、僕の体は徐々に底なしの沼と化したプールに飲み込まれて行きました。

「お、溺れる…!」

最後に僕の目に焼き付いたのは雲に覆われた不自然に暗い空から見える自分の姿でした。長方形のプールの真ん中に、ただ独り、空に向かって顔だけ出している小学生の自分が遠くに見えました。その顔が水に完全に飲み込まれる一瞬前…、

目覚めると月曜の朝でした。
10時間以上も熟睡していたので、職場には僕の腰の高さまでうんこが溜まっていました。そのうんこの上を僕は夢を見ながら必死で泳いでいたのです。
うんこで上半分しか見えないパソコンのモニターには昨日の最後の記憶のまま制作途中のサイトの画面が写し出されています。椅子やキーボードやマウスや電話、デスクの上にあったはずの書類、僕の私物のデジカメなどは完全にうんこに埋まっています。「いけない」と思った瞬間に職場の入口のドアが開き、朝イチで出勤してきた部長の顔が見えました。しかし、部長の顔は次の瞬間にはもう消えていました。ドアを開けたコトで腰の高さまで溜まっていた僕のうんこが外に向かってものすごい勢いで流れ出したのです。部長はそのうんこの濁流に飲まれ、一瞬にして流されてしまったのです。

あとでめっちゃ怒られました。
【2004/10/25 09:00 】
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うんこの上から
その瞬間瞬間はまるで永遠とも思えるような苦痛に満ちた長い時間。しかし、振り返ってみると、なんとも早かったこの一週間。僕の尻からうんこが溢れ出し、止まらないままもう一週間が経ちました。

こうしてキーを打っている間にも僕の尻からはうんこが延々と溢れ出し、溢れ出したうんこの分だけ僕の座高は高くなり、キーボードはどんどん遠くなり、仕舞いにはキーを打つのさえままならない程になってしまいます。

果たして僕は椅子に座っているのか。それともうんこに座っているのか。こんな状況にならなければ、そんな疑問が頭をよぎるコトなんてきっと一生なかったコトだし、こんな状況にならなければ、10分に一回のペースで椅子からうんこを退けるという作業をするコトもなかった。

今この時、この場所で、感じるコトが出来る思いを、僕はどれだけ感じてる?

いつだったか、そんな言葉を僕は僕に投げかけたコトがある。普通なんてものはきっとどこにもありはしない。今その時、その場所に居る僕は、そしてあなたは、今その時、その場所に居る唯一の存在であり、今通り過ぎていった時間はもう、二度と戻ってこない。

僕は目を凝らし、耳を澄まし、鼻を利かせ、舌を伸ばし、皮膚を尖らしながら、その時、その場所で、あらゆるものを吸収するかのように、大きく息を吸い込む。それが例えどんな状況であろうと、その時、その場所に居る僕にしか感じられないものを僕はより多く感じたい。より多く掴みたい。その先に何があるのか、僕はどこへ行くのか、それは今もまだわからない。ただ、逃れようのない運命や、与えられた指名、抜け出すコトが出来ない性、そんな大きな流れの中で、気を抜くとただ流されるままのこの人生の中で、あらがう為に、出来るだけたくさんの生を感じる為に、より多くの選択肢を見い出し、持っていたいと思う。出来るコトなら僕は全てを感じ、全てに思いを巡らし、そして、全てを自分で選び、決めたい。うんこの上でそんなコトを思う、28歳の秋。

綺麗に丸く、円を描くように地面に散った金木犀は、きっと良い匂い。だけど僕の鼻には届かない。うんこの匂いだけが僕の鼻には届いている。そうやってつのる切なさだけが秋っぽい。そんな今年の秋。
【2004/10/23 09:00 】
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悪夢の空
このサイトを見てる方で、うんこが6日も止まらない故の苦痛というものを味わったコトがある人なんて果たして居るのでしょうか。僕は今、その苦痛をリアルに感じています。昨日の文章をアップした後も、この文章を書いてる今も、ずっと、ずっとうんこは僕の尻からとめどなくほとばしっています。僕は今日、このうんこに名前を付けました、そう、イナズマと。

昨日の浅い眠りの中で僕は夢を見ました。

それはおそらく誰もが一度は見るであろう空を飛ぶ夢でした。しかし、その夢の中で僕は、理由もなくいつのまにか空を飛べるのようになってるのではなく、自らの羽で飛ぶのでもなく、なわとびで空を飛んでいました。そう、子供の頃によくやった、あのなわとびです。

足を水平に伸ばし、L字型の体勢で、なわとびを早く回せば回すほど安定した飛行が出来、高度も上がるような気がしました。そこで僕は調子に乗ってなわとびをしゅんしゅんと早く回すのです。しゅんしゅん。予想したとおり空高くまで舞い上がった僕は遠く下方に見える街を眺め、とても良い気分でした。しゅんしゅんしゅんしゅん。

しかし、次の瞬間、その夢は悪夢に変わります。今、現実で起こってるのと同じように、気が付くと僕の尻からうんこが垂れ下がっているのです。うんこは僕の周りをとても早いスピードで回るなわとびに千切られ、街へと舞い散ります。しゅんしゅん。しかも何故か僕の目には遠く下方に見える街に居る、愛すべき家族や友人達の姿が見えているのです。皆は空から突然舞い降りたうんこに体や顔を打たれながら口々に「イナズマ」と叫んでいました。しゅんしゅんしゅんしゅん。

今になって考えてみると、その場面で僕の取れる行動は3つあったと思います。「なわとびから手を離す」「うんこが出るのを止める」「愛すべき家族や友人達を見捨てる」の3つです。

正直、3つ目はその時は頭に浮かびませんでした。2つ目は…、このうんこを自らの力で止めるコトが不可能だと、この5日間で嫌と言うくらい体に覚え込まされていたせいか、やはり頭にありませんでした。

結局、「いけない」と思うのが早いか僕は、1つ目を選択していました。そう、夢の中で空を飛ぶ為の道具、なわとびから思わず手を離していたのです。しゅん…。

夢の中でもこういうトコロは現実に忠実で、予想通り、僕の体は真っ逆さまに地面へと向かって落ちて行きました。僕の周りには僕と同じように空から舞い降りる無数のうんこ。その空いっぱいの無数のうんこを見ながら僕は、気が付くと「イナズマ…」と呟いていました。僕の頭の中では何故か特に好きでもなかった大塚愛の「さくらんぼ」という曲が大音量で流れ、今まで生きてきた人生のいろんなシーンがまさに走馬灯のように駆け巡りました。そして…、

やはりと言うべきか。

地面に体を叩き付ける瞬間に僕は飛び起きました。しばらく放心したまま、まるで体が固まってしまったかのように動けずに居ました。しかし、それとは裏腹に僕の目からは何故か涙がとめどなく溢れていました。そして、やはりうんこもまだ僕の尻からとめどなく溢れていました。

さっきまで見ていた景色が夢のモノだとはっきり認識出来たのはそれからどれくらい経った後なのか、正確にはもうわかりません。ただ、「イナズマ…」と、口を突いて出た言葉、夢の中で聞いたあの言葉が僕を放心から呼び戻したのです。

僕は今日、このうんこに名前を付けました、そう、イナズマと。

僕は一体、どこへ行くんだろう。
【2004/10/22 09:00 】
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再会
昨日の更新で心配してメールを下さった皆様、ありがとうございます。
思いのほかたくさんの方々から温かいお言葉を頂き、身に余る思いしきりです。また、ご心配をおかけしまして大変申し訳ございません。僕は元気です。うんこが未だに止まらないってコト以外は。

そう、未だにうんこが止まらないのです。今月13日の更新で「僕はうんこをしたコトがただの一度しか無い」というコトを書いたのですが、考えてみれば、前回うんこしたのが14歳の秋。そして今、28歳の秋に再び、旧来の友のように、引き出しの奥の出しそびれた手紙のように、忘れかけた頃に便意はまた何の前触れもなく突然僕に訪れたのです。実に14年振りのぶりぶり。なんつって!

いや、前回は割とズドーン! という感じで、一気に出し切った感があったのですが、今回はそう、止まらないのです。既にもう5日、ずっとうんこが止まらないのです。

端から見ると猿の尻尾の様に茶色く長いものが臀部から垂れ下がっていて、ある意味こっけいではあるのですが、そうやって笑ってられたのも最初の1日だけでした。

いや、ホントに最初の1日だけは「ミンサーのマネ!」とか言って自らネタにして大笑いしてたのですが、5日もそれが続くといいかげん周りにも飽きられました。うん。

それに前回は自分のうんことやっと対面出来たという喜び・感動があったのですが、今回は「何故また唐突に」「訳がわからない」という疑問符的な感情が先に立ち、しかもずっと止まらないという余計訳のわからない状況で、肉体的にはまだなんとか元気ではあるのですが、しかし疲れは確実に日を追うごとに溜まっており、ほとほと困り果てております。僕の体は一体どうなっているんだ。

しかも、このままでは嫁に「今日も残業で…」とか言いながら仕事帰りに内緒で行っている個室ビデオやネットカフェにも行けません。ヘンゼルとグレーテルが森の中で迷わないよう来た道に捲いたパンくずのように、僕の来た道にはうんこが延々と伸び、そのうんこを辿ればいつでも僕に辿り着くコトが出来るからです。

果たしてこのうんこは僕に苦しみや試練を与え、どこに辿り着かせようとしているのか、どこに導こうとしているのか、何を伝えたいのか、この先には一体何があるのか、やはり僕は妖精なのか、そんな疑問ばかりが今の僕の頭の中で渦を巻いています。そう、それはまるで、とぐろのように。

…すみません、今日は疲れてきたので少し横になろうかと思います。今はデスクの前に座るのもひと苦労な状況なので…。続きはまた明日にでも。
【2004/10/21 18:27 】
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無題
う、うんこが止まりません…。
【2004/10/20 18:24 】
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独白
僕はうんこというものをしたことがありません。それどころか、うんこというものの存在自体を小学校を卒業するくらいまで知りませんでした。

いや、「うんこ」という名前くらいは聞いたコトがあったのですが、それがなんなのか、どういうものなのかというコトを知らなかったのです。なので、当時大好きだったドリフのコントでもうんこが出て来るものだけはよく分からず、周りに合わせてなんとなく笑っていました。それが当時の僕にとっては当たり前のようになっていました。

しかし、中学に入る頃、ようやく「自分は周りの人間とは違うのではないか?」と思い始め、同時に「自分は実は妖精なのではないか?」という疑念を抱くに至ったのです。

事実、確かに僕の背中には羽らしきものがありましたし、その羽らしきものを思い切り広げ羽ばたけば、空を飛べるような気がしていました。

しかし、それをしなかったのは当時の僕は自分の裸に非常なコンプレックスを抱いていたからです。今思うとそれは単なる思春期の過剰な自意識故のモノだと思うのですが、当時の僕にとって自分の裸を見られると言うコトは死に値する程の恐怖でした。理由も原因も今となってはわかりません。いや、正確に言うと覚えていません。ただ、事実としてそこにそれは厳然と存在していたのです。

結局、「自分は実は妖精なのではないか?」という疑念は深まるばかりでしたが、確認する術が無いというジレンマが中学時代の僕に暗い影を落しました。すっかり塞ぎ込んでしまい、周りと違う自分が周りとどう接して行って良いのか、どう生きて行けば良いのか、周りと違うコトを周りの人達が知ったら僕はどう思われるのか、僕はどうなってしまうのか、そんなコトばかりを考えて過ごす毎日でした。

そんなある日、いつものように、ホントにいつものように何も変わらない毎日の中の、ふとした瞬間に何の前触れもなくそれは唐突に訪れました。

…僕の中から何かが、何かが、来る!




ぶり、

ぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりーーー!

それは空をも突かんばかりのうずたかく巨大なうんこでした。
その時、既にもう14年も生きてきた僕には、それがうんこだというコトがひと目でわかりました。

そして僕は、遂に対面を果たした自分のうんことしばらく対峙したまま動くコトも出来ずに感動に打ち震えていました。しかし、その感動が堰を切って溢れ出すのは意外にも早かったように覚えています。

「ぼ、僕にも、僕にも出来た! うんこが、うんこが出来たよ!」

そう叫びながら、また、それに奇声を交えながら、今ひねり出したばかりの自分のうんこを両手に握りしめ、僕は走り出しました。そのまま町内をひとしきり駆け巡ったトコロまでは覚えていますが、それ以降は何があったのか何故か記憶にありません。

ただ、僕は妖精ではなく人となんら変わらない、ただの人間なのだと、心も体も足の指先から髪の毛の先まで、その実感と喜びに満ち溢れていました。あぁ、世界はこんなにも喜びに満ち溢れている。あぁ、世界はなんて素晴らしい。

結局何一つも解決しないままだったけど、現実とはきっとそういうモノなのだ。明確な答えなんて現実に求めるだけ無駄なのだと。喜びから覚め、しばらく経った頃から僕は世界をそういう目で眺めるようになっていました。

そう、僕はうんこというものをしたことがありません。ただの一度しか。

でも、確かに僕の背中には今でも羽があるのです。
【2004/10/13 18:17 】
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